モノづくり×自由研究

川村康文先生コラム

だから自由研究はたのしい!

自由研究は,本当に自由にやってよいので,あれもしたい! これもしたい! となって,やりたいことに迷っちゃうね。えっ? ぜいたくな悩みだって? うーん,そうかもしれない。確かに,次々とアイデアが浮かんでくるのはぜいたくな悩みだね。どちらかというと,どうしていいかわからない人の方が多いかな?
でも,いいんだよ! 先生は,昔,こんな話を聞いたことがあるんだ。

世界一優秀なロボットと人間の子どもが,積み木大会に参加しました。目の前には1000個の立方体の積み木があります。この1000個を積み上げて何かを作って下さい。「よーい,ドン!」

ロボットは1分ほどで10×10×10のきちんとした立方体を積み上げました。
でも,人間の子どもは,まだ何か悩んでいます。なかなか作業に取りかからないのです。だいぶ時間がたってから,ようやく1つのものができました。なんと,それはすてきな夢のお城だったのです。

この話を聞いて,みなさん,どう思いましたか?
なんでもかんでも,てきぱきとやれることは確かにすばらしいことですが,自由研究では,たくさん悩んで,いろいろ失敗して,好きなことをごちゃごちゃやってみることが大切です。そうしたら,みなさんだけの,すてきな夢のお城を作ることができることでしょう。

いろいろ悩みながら,あれこれとやっていると,ふとしたときに天からアイデアが降りてきます。
すぐに忘れてしまうかもしれませんので,いつも身近にアイデアノートを置いておきましょう。
そして,ほんのちょっとしたことでも,浮かんだアイデアはノートに書き留めておきましょう。
そうすることで,うまくいっていないところも忘れにくくなり,ふとしたときに,うまくいっていないところがパッと解決することがあります。

自由研究は,夏休みの長いお休みなどにすることが多いと思います。次の日,次の日と思っていると,いいアイデアも忘れてしまいます。
アイデアノートに記録しておき,時間の余裕があるときに,そのノートを開いていましょう。
不思議なことに,自分でひらめいたアイデアのはずなのに,どうしてこんなすごいアイデアが書かれているの? と思うことも,たくさんでてきます。
是非,こうやってアイデアをためて,できることを「モノづくり」として実行してみてください。