発見! モノづくり
コラム01 わたしたちの生活とモノづくり
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教科のものさし

モノづくりの基本は人

「モノ」は,今日ではほとんどが機械でつくられています。一部には手づくりもあります。手づくりといっても古くからある道具を使ったり,現代的な精密な機械を用いたりしています。

  • 伝統的な道具

  • 機械を使った加工

一見したところ機械つくりに思えても,人の手が大きくかかわっていることは少なくありません。

  • 平成27年3月に復元された姫路城

いちばんわかりやすい例は,何百年も前からあるもの,例えば火事で焼けたり,いたんだりしたお城の復元作業や,神社や寺院を建て変えたり修理したりする場面です。

こうした現場では,昔と変わらない伝統的な方法が用いられています。宮大工とよばれる棟梁とうりょうたちが,伝統的に引きつがれてきた方法でその仕事に取り組みます。こうした人たちは,匠(たくみ)とも呼ばれています。
といっても用いられる道具は,昔ながらのものもありますが,いわばハイテクを活用した道具もたくさんあります。木をけずったりする道具である「のみ」,「のこぎり」などはかたい鉄でできています。そのことは今にも受けつがれていますが,はがねはハイテクノロジーを用いていますので,以前より格段に材質がよくなっています。

プロフェッショナル

板金職人 国村次郎さん

    新幹線の先端部分

もういっぽうで,意外にも人の手が大きく関係する「モノづくり」の例は,新幹線の車両です。先頭部分の丸みをだす最終工程には,手で行うことが多く,左のように人の手で仕上げています。

プロフェッショナル

「一個流し」を行う 庄司 吉道さん

「一個流し」では,一人ひとりに大きな責任があります。納期を守りながらいかに効率よく生産できるかということを意識して働いています。一人でたくさんの機械を扱うので,常に次の作業をイメージしながら,リズミカルにテンポ良く体を動かして材料を加工していきます。

人の手が大きくかかわっていることを,工場の場面で紹介しましょう。

「一個流し」という言い方があります。これは,材料の取りそろえから加工,品質管理,出荷管理まで職人とよばれる一人があたっていることを言い表した表現です。
現代の生産現場では,分業といってそれぞれの工程が専門の人たちによってになわれている例が多いいっぽうで,たくみとも呼ばれる人はすべての工程を一人であたり,一貫いっかんした「モノづくり」を実現しています。

ポイント
  • モノづくりに使われる道具には,どんなものがあるか調べてみよう。
  • モノづくりに,人はどのようにかかわっているか確かめよう。